移住事例No.012 / 米原市山東地域

本場より本場らしく
古民家でタイ古式マッサージ店はじめました

移住事例 No.012 / 米原市山東地域

トップ画像

川のほとりで、街道沿い。古くからの宿場町も近く、今も旅人が行き交う特別な場所。
自然豊かで利便性の良い地域に、古民家の趣を活かした、落ち着いた雰囲気のお店がオープンしました。
商うのはヤマダさん母娘、商いはタイ古式マッサージとマッサージスクール!「物件は30件以上見ました」というヤマダさんに、こちらを選んだポイントを聞きました。

プロフィール写真
空き家に恋した人

ヤマダさんファミリー(+わんちゃん)

2017年に短大を卒業した娘のコトミさんは、「企業に就職するのではなく、自分で何かをやってみたい」と、卒業と同時にタイのチェンマイへ。
2か月間、マッサージ学校に通って技術を習得、帰国後に国内のマッサージ店で修業を積み独立、イベントなどに出店するほか、2019年11月から現在の場所で、お母さんのユミさんと一緒にお店を切り盛りする。
「タイ政府認定セラピスト」として、半年に一度のペースでタイに通い、現地の学校で教えたり、自分の技術の向上を図っているというコトミさん。ユミさんも、コトミさんの手ほどきを受けながら勉強中だ。


街道沿いの、素晴らしいロケーションに一目ぼれ
国道のわきに、並行して走る旧街道。一本奥まっていることから車の往来も少なく静かで、何より、街道の雰囲気が今も残り、いい感じのカーブが連続したり、松並木が現れたり、山に入っていく分かれ道に出会ったりして、街道好きさんからため息が聞こえてきそうな地域である。

民家が立ち並ぶ一画、敷地内の裏手の方に車を進めると、駐車スペースは思いのほか広く、裏山と川が、異国情緒漂う雰囲気を醸し出していた。
街道に面した母屋は住居として使用、渡り廊下でつながった裏手の隠居を、マッサージ店とスクールとして開放している。

「マッサージの勉強で訪れているチェンマイという、タイの田舎の村の雰囲気が大好きで、この場所は、ロケーション的にチェンマイに似ているところもあり、一目で気に入りました。」というコトミさん。
ユミさんも「快適そのもの、リバーサイドの家です(笑) ここに来てからテレビを見ることも少なくなり、朝は川を見ながら体操したり、蛍を見ることができます!」と大満足の様子。
家の状態が良く、最低限のリフォームで開店できたという隠居は、母屋とは別の玄関が元々あり、四畳半と六畳の和室が縁側でつながっている。
玄関土間を上がったところに小さなキッチンがあり、マッサージに来られたお客さんへのお茶の用意などがここで賄える。二間あるので、手前の部屋をお客さんの待合室や休憩場所として利用、奥の部屋で施術を行う。
この心地良い空間でスクールもしていて、県外から通う生徒さんにも指導中。生徒さんたちも自然豊かなこの場所がお気に入りで、何度も足を運んでいるそう。

母屋に通じる渡り廊下沿いにトイレがあることから、お客さんが利用する場合でも母屋に入ることなくご案内が可能。縁側や玄関土間には、タイの雑貨やマッサージグッズをディスプレイできる、ちょうどよいスペースがある。
まさに、マッサージ店を開くべくして用意されたような古民家!



地域に迎え入れてもらえたのが嬉しい
住居兼マッサージ店にふさわしい家を探すため、ユミさんが、まいばら空き家対策研究会を訪れたのが2019年4月、周辺環境や家の状態、間取りなどから「おすすめ」と紹介されたのがこちらの物件だったという。
その後9月には売買契約を結んでいることから、話がとんとん拍子に進んだことが分かる。ご縁やタイミング、といった計り知れない幸運要素も大きい。

ユミさんは、「自治会長さんとの最初の面談は研究会の人に立ち会っていただき、いい人ばかりだなぁという印象を持ちました。地域の行事や奉仕作業にはなるべく参加したいと思っています」と話す。
また、お店をやることについて歓迎ムードもあったようで、「若い人が来てくれた~と、喜んでくれる様子が伝わってきて、とても嬉しかったです。よく話しかけてくれますし、分からないことは親切に教えてくれます。ご近所さんがマッサージを受けにも来てくれます。なぜか移住してきた時の不安も不思議なくらいゼロでした(笑)」とにっこり。

地域の人が受け入れてくれる、自然に仲間に迎え入れてくれる、というのは、「田舎暮らし」や「移住」を希望する人たちにとって、大きな第一関門でもある。
地域の特性や地元のサポート体制の賜物であり、ヤマダ母娘の人柄がもたらした結果でもあり、希望者の条件を丁寧に聞き、上手にマッチングさせた好例である。


野菜づくりを楽しみ、ゆくゆくはゲストハウスも!
状態の良い空き家だった、とは言うものの、多少の修繕は必要だった。屋根の葺き替えを手伝ったり、網戸の張り替えを初めて自分でやったというヤマダさん母娘。
施術をする和室の畳は業者さんに頼んだ新品で、気持ちいい。

ちなみに、タイ古式マッサージは「2人でするヨガ」とも言われ、いわゆる指圧というより、ストレッチを施すことにより身体の柔軟性を高めて、疲れがたまりにくい身体に変えていく施術。
なので、施術用のマットは、マッサージ屋さんでよく見かけるベッドタイプではなく、畳の上に敷く布団のようなもの。アクロバティックな動きも時にはあるので、ベッドでは落ちてしまうから。
こちらのマットは、コトミさんがタイで直接、買い付けてきているマッサージ専用のものだそうだが、日本の畳の間にもよく似合う。
窓から見える風景もいい感じで、風も心地よく吹き抜ける。タイに滞在して、本場のマッサージを受けているような錯覚に陥るだろう。
いや、マッサージは紛れもなく本場の確かな腕によるものなので、気になる方は、タイに行かずともぜひ、こちらにご予約を!

さて、今後の展開については「ゲストハウスやカフェなどを開きたいですね」と母娘が口をそろえる。
川を挟んだ反対岸に広場があり、そこを会場に音楽を流し、敷地内の裏庭で屋台を並べたりして、いわゆる「フェス」や、イベントも開けそう。
街道沿いという立地上、旅人をもてなしてきた精神を引き継いでくれそうな予感。
生涯初めてという家庭菜園は、ピーマン、ナス、トマト、枝豆などの夏野菜のほか、スイカやパッションフルーツ、ブルーベリーなどの果物、ハーブ類などなど、種類も面積も豊富で、どれも順調に育っていた。
「マッサージも野菜づくりも、好きなことをやっているだけなんです。このような環境を与えてもらいありがたいです」と穏やかなコトミさん。次はマッサージしてもらおう!

その他の写真はこちら



恋する、空き家。
家そのもの。歴史。環境。大家さんの想い。地域。-空き家に恋して、地域に住んでほしい。それが、恋する空き家プロジェクト。


まいばら空き家対策研究会は、ご縁をつなぐお手伝いをしています。
ご紹介にあたっては「直接会ってお話し」させていただくことをとっても大切にしております。

興味のあるかたは、まず一度、まいばら空き家対策研究会までお問い合わせください。





この家について

構成 母屋、隠居



周辺環境

米原市 山に囲まれ、川のほとりで自然豊か。街道沿いで風情あり
最寄駅ほか 東海道本線醒井駅まで2.9キロ、コンビニやスーパーも近くにある。
米原駅まで車で10分、米原ICも近く、県外への移動に便利。





移住ウラばなし

プロフィール画像
ヤマダさんファミリー
(+わんちゃん)

【屋号に込めた思い】
タイ古式マッサージ店をするにあたり、屋号は「縫~uturoi spa」(ぬい~うつろいすぱ)にしました。絡まった糸をほぐすようなマッサージを施すことをイメージしています。
日々、人間が酷使している身体の状態は、絡まった糸と同じで、それを施術によって上手にほどいて、元の状態に戻して整えるという感じです。
「移ろい、うつろい」、というのは、自然の中にサイクルがあり、自然が季節に応じて移ろっていくのと同じように、身体にもその時々の変化があり、その変化や移ろいを感じながら過ごしてほしいな、という気持ちを込めています。
この場所の自然が、目に映る景色が、まさにこの屋号を表すのにしっくりきます!

【たくさんの物件を見てきました】
古民家に限らず、アパートの一室だったり、街なかの家だったり、場所についても米原だけでなく、彦根、長浜でも色々な家を見学させてもらいました。滋賀の湖北地域で、と、場所についてはある程度絞っていましたが、30件以上は見てきました。
条件は、住居兼お店ができる家で、大きさや間取りがちょうどよかったですね。あとはやはり、地域の人たちの良さと、自然豊かなところ、これまでの常連のお客さんもいらっしゃるので、その人たちにも無理なく来てもらえる地域だった、というのも大きかったです。

【地域への溶け込み方】
地域のことで分からないことがあれば、ご近所さんに相談したり、お年寄りの方の話し相手になったり、ちょっとしたおしゃべりをしたりと、主にお母さんが、すぐに、自然になじんでいきました。
犬の散歩にでかけると、必ず手を上げて笑顔で声をかけてくれるおじいちゃんや、採れたての野菜をたっぷりくださる気のいいおばあちゃん、皆さんの暖かさに感動しています。
秋には近所のお家で娘が初めて木に登って柿を収穫させてもらい、無農薬の安心安全で美味しい柿を食べることができました。日々の色々な出来事に感謝です。
引っ越してきてまだ一年も経っていませんが、もうずっとここにいるような感じがします。





取材をしてみて


カワムラ

タイのバンコク、プーケットは観光で行ったことがあるが、チェンマイには行ったことがない。地図を見ると、バンコクから北へ700キロの位置にあり、ミャンマーに近い。
山に囲まれ、歴史も深そう。一度訪れてみたい! とは思うものの、大学を卒業してすぐに、単身でいきなり2ヵ月間も、見知らぬチェンマイで勉強しながら暮らす、という道に進んだコトミさんはすごい。その行動力とセンスを見習いたい。
お母さんのユミさんの子育て方針も素晴らしい。コトミさんを信じて、心配はするが全面的に応援してきたという。夢をかなえる原動力になったに違いない。そのような母娘がタッグを組み、新しい土地で、新しく仕事を始めた。
夢物語だけでなく、積み重ねてきた努力と実績によって土台もしっかりしていて、誠実で地道な将来設計もある。地域にも溶け込んでいる。
「移住サポーター」として、「応援しない」「応援できない」という選択肢はないです。
四季折々のうつろいを感じながら、この地域の暮らしを楽しんでいってほしい。








恋人自慢一覧へ戻る