空き家情報 No.007 / 米原市伊吹地域
空き家 No.007 / 米原市伊吹地域
京極氏ゆかりの地、歴史ある集落で新しい恋をしませんか
京極氏ゆかりの歴史ある集落。坂道を上がると、空気が一変。山を近くに感じ、すーっと風が吹き抜け、見下ろす景色は空が広くて山際が近くてすがすがしい。
かつて京極氏が城を築いたこの地で、戦国時代に思いを馳せながら、ゆっくり暮らすのはいかがですか?
時代をさかのぼる想像力が掻き立てられ、歴史好きにはもちろん、初心者でも次々と興味を惹きつけられる素敵な場所です。
戦国時代、京極氏が築いた城下町。かつては修行僧の寺だった!
ごえんさん(=湖北地方の方言でお寺の住職さんのこと)によると、このお宅のある場所、京極氏の時代には修行僧の寺だったのだそう。
なんだか想像力が掻き立てられ、戦国時代をふっと身近に感じることができるのは、とても不思議な体験。
「奥に大きな木があるやろう、その足元にある石はね、その時分の庭石だと聞いてるんよ。」と大家さんが教えてくれた。
ここ上平寺城は、秀吉さんが賤ヶ岳の合戦で美濃国大垣から戦地へ走り抜けたという北国脇往還が集落の南を走っていて、戦国時代にも重要な拠点として役割を果たした重要な場所。
「今でも伊吹神社に至るまでの間、石垣が積まれた屋敷跡があるから、当時はもっと規模が大きかったんやろうね。」と大家さん。石垣が積まれた風景は、山麓の地形を活かした集落ならではの雰囲気。
路地の先に田園風景を見下ろすと、心地よい風が吹き抜ける。
趣あるヒノキづくり!使い勝手が良いダイニングキッチン
もともと茅葺の民家だったのを30年ほど前、息子が生まれた年に、大家さんが建て替えた母屋。
総ヒノキづくりで、深緑色の土壁との配色が落ち着く、とても趣ある佇まい。
「この辺りは赤いベンガラ塗りの柱梁の家が大半ですよね?」と尋ねると、「こだわりってほどではないんやけどね、妻がベンガラ塗りはいややっていうてたんですわ。僕もね、それほどベンガラは好きじゃなかったし。それで親戚の大工さんにオーダーしてヒノキで建ててもらったんやわ。」と昔を思い出してくれた。
まぜごと(=湖北地方の方言でお祝いや法事などで大勢が集まる席のこと)ができるように田の字型は踏襲しながら、ダイニングは暮らしに合わせてフローリング床、広い台所にはL字キッチン。ダイニングとキッチンは木製の窓枠でつながっていて、家族と会話をしながら料理ができる。
奥さんの希望が叶えられたダイニングキッチンはとても使い勝手が良さそう!
1階には独立した和室8畳の個室もあり、さらに2階には個室が4部屋あって、家族それぞれが部屋を使うのに十分。
突き当たりの広い洋室はクローゼットが備えつけられていて、寝室にぴったり。ゆったり庭を眺めてくつろげる広めの縁側も明るくて居心地が良い。
立派な石垣、井戸、池のある庭園。大きなスモモの木も!
「屋敷内に石がゴロゴロあったから、それを庭師に積んでもらって石垣にしたんよ。先に据えたのが、これもお寺時代の庭石やな。」と大家さん。
高低差を活かした石積みの玄関へのアプローチは上平寺ならではの貫禄の佇まい。石垣の下に、車2 台は十分に停められる。
玄関先に井戸があって、その下は庭園の池だったのだそう。
「台所は、井戸水と浄水を使い分けられるようになってるんよ。」と大家さん。山水を利用できるなんて、なんと嬉しい自然の恵みでしょう。
それに、「庭の隅に大きな木があるやろう。鳥に食べられてしまって、ようけは取れんけどねえ。」と大家さんが指差した先には大きなスモモの木。季節を味わえる贅沢、初夏が楽しみになりそう!
ご近所と馴染んで、長く住んでくれる人がいい。
大家さんはここで育ち、この家を建てて、ここで子育てをした。先代からずっと住んできたからこその大家さんの思い。
「ここは小さな集落だから、ご近所と馴染んで、長く住んでくれる人がいいな。」と話してくれた。
家が、人が、繋いできた長い歴史。新たな歴史を刻む住まい手に出会って欲しい。
家そのもの。歴史。環境。大家さんの想い。地域。-空き家に恋して、地域に住んでほしい。それが、恋する空き家プロジェクト。
詳しくは、まいばら空き家対策研究会までお問い合わせください。
この家について
構成 | 母屋、隠居 |
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畑 | 坂道を下りた道端に2畝ほどの畑あり。今は手入れしてないけれど、耕せば十分家庭菜園ができる。 |
特徴 |
【ヒノキづくり】立派なヒノキづくりと深緑色の土壁のコントラストが落ち着く。 【簡易水洗】下水枡が敷地内にあるので、下水工事をすれば、より快適に暮らせる。 【ダイニングキッチン】洋間のダイニングと対面式L字キッチンは使いやすいこと間違いなし。 【石垣】玄関へのアプローチが素敵。 |
周辺環境
都市機能 |
最寄りの近江長岡駅までは車で15分弱。小中学校への通学はスクールバス。 岐阜との県境も近いため、大垣へ買い物に出ることもよくあるのだとか。 |
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家周辺特徴 |
伊吹山の南麓の集落。京極氏の居館や庭園跡までは歩いて10分ほど。 京極氏が築いた上平寺城跡(国指定史跡)までは、山道を登ること1時間以上。公会堂に分かりやすいイラストマップあり! |
その他の写真はコチラ。写真をクリックすると拡大します。
こんな物件です。
取材をしてみて
まいばら空き家対策研究会タケムラ
農面道路から集落に向かって坂道を登ると、景色や風が一変し、とてもすがすがしい気持ちになりました。
山際が近く、丁寧に石垣が積まれた屋敷や田畑は、山麓ならではの景色です。
上平寺城は歴史的に重要な役割を果たした拠点で、大家さんのお話を聞いているだけでも、どんどん想像力が掻き立てられ、こんなにも戦国時代を身近に感じたのは初めてで興奮しました。
当時は上平寺城の城下町が築かれていたそうで、今とは違う世界だったのでしょう。地域の歴史、家の由来、人の繋がりを伝え聞くというのは、特別な体験です。
ここに暮らすということが、戦国時代へも遡る長い歴史の延長線にあるのだなあと思うと、ちょっと誇らしいですね。