ぷらっとほーむ / ヤマダさん

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ミニレポ!Vol.03

ぷらっとほーむ / ヤマダさん

米原市出身のヤマダさんは、不登校親の会「リリーフ」を設立し、これまで市内で活動していました。昨年築200年の古民家を拠点として購入し、クラウドファンディング等を利用しながら改修。
2023年6月に多世代交流カフェ『ぷらっとほーむ』をOPEN。弁当販売や講座・イベントの開催、場所貸し等も行っています。

Facebook (ぷらっとほーむ)



この家や地域との出会いこの家は、まいばら空き家対策研究会で紹介してもらいました。自分にとっては運命的な出会いでしたが、いろんな人に家の古さや立地について心配や反対をされました。「こんな古い家、どうするん?」「人を集めるのに、こんなに隠れた場所でいいの?」等々。買い手がつかず、空き家バンクでも登録からかなり時間がたってしまっていたようです。でも、わたしは「どうしてもここがいい!」と思ってしまって…。必死で所有者さんにプレゼン!その結果、「地元の人に頑張ってもらいたい」と言っていただけるようになりました。

 

この場所でやりたいことが多岐にわたっていたので、地区の総会で挨拶をした時も「結局何がやりたいの?」って感じだったかもしれません。でも、実際に始めてみると地域の老人会がお弁当を注文してくれたり、公民館のサロン帰りにお茶しに寄ってくれたり、アドバイスをくれたり…。地区の真ん中に存在するこの家に地域の皆さんが寄っていってくれてありがたいし、嬉しく思っています。



完璧を目指さない、わたしのリノベーション大きく変えたのは、「床」「キッチン」「庭」です。その他は、”完璧にならない前提”で、順番にいろんなところを少しずつ直しながらなんとかしていきました。まだまだ、絶賛変化中!サグラダ・ファミリアみたいな感じです!(笑)

床は一度全部撤去して、フローリングにしました。

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床を剥がすと、昔の石臼やいろりの土盛りなども現れました。(シロアリ等の被害もありましたが…。)建物自体にゆがみがあるので、床が平行になったことで完成後は反対に、建具を外すのにコツが必要になってしまいました(笑)

もとから梁が出ている家だったので、天井は塞がずにそのまま立派な梁を手で拭いて磨き上げました。高い場所での作業は大変でした。すすは未だに落ちて来る場所がありますが、あえて梁を隠さず、出したままにして、”すすとの闘い”を楽しんでいます(笑)「白い靴下はいてこんといて~!」とか言いながら。(笑)

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壁が落ちてくるところは自分で、漆喰を塗って固めました。

天井裏には一時期動物が住んでいたようで、掃除したら糞が落ちてきて…。天井板がぶかぶかだった場所は、張替えを頼みました。

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キッチンは営業許可を取るために古いものを撤去し、地域の方から譲り受けた業務用のキッチンに入れ替えをしています。カフェの営業だけでなく、子ども食堂でも大活躍!

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庭も、大変身です!今では子どもたちが遊べるようになっていますが、草木が繁茂して、はじめは車すら停められないほどでした。手入れをしたら次は雨の日の泥が酷くて…。道路が汚れてしまうので、地域の人にも謝りました。そしたら、地元の業者さんが砂利を入れてくれました。

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隙間だらけの家。初めての冬はものすごく寒くて、家の中でも5度!部屋の中に、雪も積もってました。(笑)隙間風をどうにかしようと自力でウレタンで埋めて黒く塗ったりしてしのぎました。ようやく雨戸をはめ替えたり、建具も入れてもらったりしたので、今年は寒さがマシになるといいなあ…。
ちなみに壁を作ってもらったのは、「どの建具がはまるかわからなかった」から!もう少し、なじむ色にしたらよかったかな…

外の焼き板は知り合いに頼んで新しくしてもらいました。あとは土壁をなおしたいかな。外見は古いままだけど、開けてびっくり!外見と違う!って言ってもらえるとなんだか嬉しいです。だからあえて大きく変えなくていいのかもって思っています。

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江戸時代(幕末…?)から建っているだけあって、構造に問題のない範囲で傾いたり、柱がはまっていなかったりする場所もあります。そう考えると、この直し方ではもしかしたら「住めない」家に分類されるのかもしれない。現代人の感覚では、余計にそうなると思います。

住むための場所ではなく「店舗」としての活用だからこそどうにかなる部分もあります。それに、今後は「だれかの愛着のおかげで場の変化が進んでいく」ことを大事にしたい。それが、あえてこのままにしているという理由でもあります。ここに来る人が、気にして、愛着を持って手を入れる。次に来たら変わっていたり改善されていたりする。網戸が欲しい!玄関のドアが重すぎて替えたい!など、いくらでもやることはあるんです。でも、一気に完璧にするのは難しい。その時が来れば物事は進むと思っています。

そんなこんなで、わたしのリノベーションの特徴は、「完璧を求めない」こと。助けてと周りにどれだけ言えるかどうかがポイントだと思うし、今後も妄想ややりたいことを口に出して、いろんな人を巻き込んでいきたいと思っています。実際にわたしは「活動場所が欲しい!」と言い続けていたら、事業を立ち上げてからたった4年で、いろんなことが大きく動き始めました。この家を見つけ、仕事を辞め…。あっという間のOPEN。縁が繋がり、波に乗ることができたと思っています。



この家をどんな場所にするか空き家って、もともとは、誰かが住んでいたところ。まずは自分好みにして、自分自身がなじんでいくことが大切なんじゃないかなと思います。
わたしがこの家の中で一番気に入っているのは「梁を生かした照明!」もともとは蛍光灯がつってあったフックが残っていたので、雰囲気に合わせて変えました。

体験教室などで場所を利用してくれた方のハンドメイドの作品など、梁につってあるものはインテリアでもあり売り物でもあります。

なんだか分からないけどここに来ると落ち着く「カフェ」でありみんなの「居場所」。上の世代の人にとっては「実家みたい」な場所、自分より下の世代にもなぜか「落ち着く」と言ってもらえる、現代的でない「しっくり来る感じ」。世代を問わずくつろげる場所を目指して、楽しみ続けたいです。






取材をしてみて

今まで見てきた空き家改修はどちらかというと完璧で、洗練されたこだわりの空間も多かったけれど、ヤマダさんのやわらかいお家との向き合い方はもっと身近で、いろんな人に実践してもらいたいと思える考え方を知りました。「〇〇でなければならない」ということが多すぎると空き家を改修し、活用するハードルはどんどん高くなっていきます。自分が納得する、わくわくする方法で楽しんで欲しいです。これからもこの場所で、空き家活用をきっかけにした居場所づくりや人との繋がりを生み出し続けてほしいです!
地域おこし協力隊 アサイ






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